都会でも星は見える!光害と付き合う3つのコツ

「都会じゃ星なんて見えない」とあきらめていませんか。たしかに天の川は難しい。でも、月・惑星・明るい星は、街の真ん中でもちゃんと見えます。鍵は、機材ではなく立ち位置と目の慣らし方です。

  • 光害
  • 街なかで観察
  • 暗順応
  • 初心者
  • ベランダ観察
マンションの屋上で手すりにもたれ、街明かりの上に広がる夜空を見上げる人。右上に半月、空のあちこちに明るい星が見えている。
ビルや街灯の光をよけて、高い空を見上げる。それだけで街の星は見つかります。

かんたんな答え

まず結論から

街で消えるのは暗い星だけ。明るい星は残る。

光害で見えなくなるのは、もともと暗い星や天の川です。月・金星・木星・一等星は街明かりに負けません。「全部見えない」ではなく「明るいものから見える」と考えると、都会の空も楽しんでいただけますよ。

もくじ
  1. 街なかで見えるもの・見えにくいもの
  2. 街明かりに負けない3つのコツ
  3. やりがちな失敗
  4. マナーと安全
  5. よくある質問

街なかで見えるもの・見えにくいもの

都市部の空で見えやすい対象と見えにくい対象
街なかでもまったく問題なく見えます。光害の影響を受けず、満ち欠けの様子や、半月前後の欠け際に浮かぶクレーターの陰影まで、ベランダからでもはっきり楽しめます。
惑星(金星・木星・火星・土星)金星・木星はいつもとても明るく、街明かりに負けません。火星・土星も見えますが、明るさは時期で変わります。どれもまたたかず、落ち着いてじっと光るのが、またたく星との見分け方です。低い空にいるときより、高く昇ったときのほうが見やすくなります。
一等星・明るい星オリオン座の三つ星、こと座のベガ、おおいぬ座のシリウス(太陽を除けば全天でいちばん明るい恒星)など、明るい星でできた星座の主要な形はたどれます。まずはこうした目印の星から探すと、街なかでも星座をたどりやすくなりますよ。
暗い星・天の川都市部ではほぼ見えません。これらを見たいときは、街明かりの少ない場所が必要です。

どの惑星が今夜見えるかは季節と時間で変わります。今夜の具体的な見え方は今夜の見どころで確認できます。

街明かりに負けない3つのコツ

街灯の光を建物の影で避けながら、住宅街の高い夜空に見える明るい星を見上げている人。
  1. 街灯を直接視界に入れないいちばん効くのは立ち位置です。街灯や看板の光が目に直接入らないよう、建物や壁の影になる場所に立ってみましょう。まぶしい光源が視界の端にあるだけで、目の感度は下がってしまいます。うまく影が使えないときは、手のひらを目の上にかざして光源を隠すだけでも、見える星の数がぐっと変わりますよ。
  2. 目を暗さに慣れさせる(暗順応)屋外に出てから15分ほどは、スマホ画面を見ないようにしてみましょう。目が暗さに慣れる「暗順応」が進むと、さっきまで見えなかった星が浮かび上がってきます。明るい画面をちらっと見ただけでも慣れが大きく後戻りしてしまうので、画面はいちばんの敵。どうしても手元を照らしたいときは、明るさを最小にした赤色の光を使うと、慣れをあまり崩さずにすみますよ。
  3. 空が高く開けた方向を選ぶ地平線に近い低い空は、街明かりがいちばん強くにじみ、白っぽく明るくなりがちです。頭上(天頂)に近い、高い空を見上げるほうが暗く澄んで見えますよ。同じ星でも、低い空にいるときより、高く昇るのを待ってから探すほうが見やすくなります。屋上やベランダ、公園の広場など、まわりに高い建物がなく視界が開けた場所だとさらに有利です。

やりがちな失敗

外に出てすぐ「見えない」と判断してしまう

目が暗さに慣れるには15分ほどかかります。出てすぐの空はいちばん星が少なく見えるものです。あきらめる前に、スマホをしまって少し待ってみてくださいね。

  • 明るい画面を見る——暗順応が大きく後戻りしてしまいます。
  • 低い空ばかり探す——地平線近くは街明かりが最も強くにじみます。
  • 満月の夜に暗い星を探す——月あかり自体が空を明るくします。

マナーと安全

住宅地で観察するときは、私有地や他人の敷地に立ち入らないようにしましょう。夜間は声をひそめ、懐中電灯を人や窓へ向けないよう気をつけます。集合住宅のベランダでは、手すりに身を乗り出さないなど、足元の安全を最優先にしてくださいね。

明かりを使うなら、暗順応を保ちやすい赤色ライトがおすすめです。白色の強い光は、自分も周りも目が慣れにくくなってしまいます。

よくある質問

東京や大阪のような大都市でも星は見えますか?

見えますよ。月・惑星・一等星は大都市の中心部でもはっきり見えます。ただし暗い星や天の川は街明かりでかき消されてしまうため、それらを見たいときは郊外や山間部など、街明かりの少ない場所へ出かけてみましょう。

「光害」とは何ですか?

光害(ひかりがい)とは、街灯・看板・建物などの人工の光が夜空を明るくし、星が見えにくくなる現象です。空全体がうっすら明るくなるため、特に暗い星から順に見えなくなります。明るい月・惑星・一等星は影響を受けにくく、街なかでも楽しめます。

ベランダからでも観察できますか?

できますよ。まずは身近なベランダで十分です。手前に部屋の照明や街灯が入らないよう、室内を暗くし、光源を背にして立ってみましょう。空が広く開けた方角を選ぶのがコツです。

どんな日が見やすいですか?

よく晴れて空気が澄んだ日、そして月あかりの弱い(新月に近い)夜が見やすくなります。満月に近い夜は月そのものが空を明るくするため、暗い星は見えにくくなります。雨上がりの翌晩は大気中のちりが洗われ、いつもより星が見えやすいことがあるので、ねらい目ですよ。

双眼鏡があると街でも楽しめますか?

楽しめますよ。双眼鏡は肉眼より多くの光を集めてくれるので、月のクレーターや、木星のそばに並ぶ小さな衛星、すばる(プレアデス星団)などが街なかでも見つけやすくなります。手ぶれで揺れやすいので、手すりや壁にひじを預けて固定すると見やすくなります。まずは家にあるものから始めて大丈夫です。

季節によって見やすさは変わりますか?

変わります。冬は空気が乾いて澄みやすく、オリオン座やおおいぬ座のシリウスなど明るい星が空に多くそろうため、街なかでも見ごたえがあります。夏は天の川の季節ですが、天の川そのものは街明かりに弱く、都市部ではほとんど見えません。季節を問わず、月や明るい惑星はいつでも楽しめますよ。

出典

本記事の観測の目安は、以下の一次情報をもとに記載しています。

この記事を書いた人

コペミル編集部星空ソムリエ

YouTube・TikTokで月間1,000万回以上再生される星空動画メディア「宇宙のテルコ」。 星空ソムリエの資格をもつ星好きスタッフが、天文の一次情報にあたりながら、知るほど夜空が楽しくなる——そんな話を、やさしい言葉でお届けします。

文・編集
コペミル編集部
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