ISSを肉眼で見る方法|見える時刻の調べ方と探し方

夜空をすーっと横切る、とても明るい点。その正体は国際宇宙ステーション(ISS)かもしれません。望遠鏡も双眼鏡もいらず、肉眼で追える見え方の特徴と、見える時刻の調べ方をやさしくまとめます。

  • ISS
  • 国際宇宙ステーション
  • 肉眼観察
  • 人工衛星
  • 見え方の見分け方
薄明の空を、明るい一筋の光跡となってISSが横切っていく様子

かんたんな答え

まず結論から

ISSは、とても明るく、数分で空を横切る点

点滅せず、なめらかに動く白っぽい光です。肉眼でじゅうぶん見えますが、見える日時は場所によって変わるため、予報サービスで時刻と方角を事前に調べておくのがコツです。ISSは地上およそ400kmの高さを飛び、地球を約90分で1周する大きな有人施設。空を一列に動くスターリンクとは別物で、ISSはそれ自体が単独で飛ぶひとつの施設です。

もくじ
  1. ISSの見え方の早見表
  2. 肉眼で見る4ステップ
  3. 今夜の空でほかに何が見える?
  4. よくある質問

ISSの見え方の早見表

ISSがほかの光と見分けやすいのは、その明るさ・動き・点滅しないことの組み合わせです。まずは特徴をつかんでおきましょう。

ISSの見え方の特徴
明るさとても明るい。条件がよければ金星なみに輝いて見えます。
動き数分でゆっくり空を横切ります。飛行機より静かでなめらかな動きです。
見える時間帯日の出前か日没後の薄明のころ。空が暗く、ISSにはまだ太陽の光が当たる時間です。
点滅しません。色が変わらない白っぽい光が、明るさを保ったまま移動します。
必要な道具なし。肉眼で十分に追えます。双眼鏡や望遠鏡は必要ありません。

飛行機との違いは「点滅」。赤や緑にチカチカ光るのは飛行機です。星・惑星・人工衛星の光の見分け方もあわせてどうぞ。

肉眼で見る4ステップ

夕方の開けた公園で、スマートフォンを手にした人が、空を横切る白い光を見上げている。
  1. 見える日時を予報で調べる

    ISSはいつでも見えるわけではありません。まずは予報サービスで、あなたの場所で見える日付・時刻・方角を事前に確認しましょう。1回のパスで見えるのは長くても5分ほど、多くはもっと短い時間です。だから思い立って空を見上げても出会えるとはかぎりません。時刻を先に押さえておくのが、成功への近道ですよ。

  2. 開けた空で待つ

    建物や木でさえぎられない、できるだけ空が広く開けた場所へ。ISSは多くは低い空から現れて高い空へ昇っていくので、地平線近くまで見渡せる方がチャンスが増えます。暗さに目が慣れるまでには数分かかるので、予報の時刻の5分前には外に出てスタンバイしておくと安心です。街灯の少ない方角を選べると、より見つけやすくなります。

  3. 指定の方角から現れる明るい点を追う

    予報で示された方角の低い空に目をこらしてみましょう。すーっと動く、点滅しない明るい点が見えたらそれがISSです。飛行機のように赤や緑にチカチカ光らないので、白っぽいまま静かに移動する点を探してみてくださいね。最初はいちばん明るい星くらいの光が、近づくにつれてぐんぐん増していくのが目印です。スマホの明るい画面を見ていると目が暗さに慣れず見のがしやすいので、通り過ぎるまでは空から視線を外さないのがコツですよ。

  4. 数分で見えなくなる

    ISSは空を横切り、反対側の空へ進むと見えなくなります。日没後のパスでは地球の影に入って急にふっと暗くなり消え、日の出前のパスでは逆に影から出て急に現れることがあります。これは沈んだのではなく、太陽の光が当たるかどうかが変わるためです。明るく動いていた点が静かに消えていったら、それで観察は完了です。

見える日時を調べる予報サービスは、NASA公式のSpot the Stationが便利です。今夜あなたの空で何が見えるかは今夜の星空でも確認できます。

よくある質問

ISSはいつ見えますか?

毎晩見えるわけではなく、見えるのは日の出前か日没後の薄明のころに限られます。空が暗く、上空のISSにはまだ太陽の光が当たっている時間帯だからです。見える日と時刻は場所によって変わるので、予報サービスで事前に確認しておくと安心です。

どの方角に見えますか?

決まった方角はなく、その日のISSの軌道によって変わります。多くは低い空から現れて反対側の空へ移動していきます。予報サービスでは「どの方角から現れて、どの方角へ抜けるか」まで分かるので、それに合わせて空を見ておくと見つけやすくなります。

点滅しないのですか?

しません。ISSは自分で光っているのではなく、太陽の光を反射して輝いています。だから色の変わらない白っぽい光が、明るさを保ったままなめらかに動きます。赤や緑にチカチカ点滅していたら、それはISSではなく飛行機です。光の見分け方は別の記事でくわしく紹介しています。

双眼鏡や望遠鏡は必要ですか?

必要ありません。ISSはとても明るいので、肉眼ではっきり追えます。むしろ速く動くため、視野のせまい双眼鏡や望遠鏡では追いかけにくいほどです。まずは肉眼で、空を横切る光をそのまま楽しむのがいちばんです。

ISSはどれくらいの高さ・速さで飛んでいますか?

地上からおよそ400kmの高さを、時速約2万8000kmという猛スピードで飛んでいます。地球を約90分で1周し、1日におよそ16回まわっている計算です。それでもはるか上空なので、見上げると数分かけてゆっくり動く一つの点に見えます。速く動いて見えるのは、それだけ近い距離を通る飛行機との違いでもあります。

今日見逃したら、次はいつ見えますか?

がっかりしなくて大丈夫です。ISSは地球を1日に何周もしているので、条件のよいパスは数日のうちに何度もめぐってきます。ただし毎回よく見えるわけではなく、空の高いところを通る明るいパスもあれば、地平線すれすれをかすめるだけの見えにくいパスもあります。予報サービスなら数日先までの見える時刻と、どのくらい高く昇るかまでまとめて分かるので、天気がよく高く昇る日をねらって、もう一度チャレンジしてみてくださいね。

ISSには人が乗っているのですか?

はい。ISSは複数の宇宙飛行士が交代で長期滞在しながら、実験や観測を続けている「人が暮らす施設」です。あなたが見上げているその明るい一点の中にも、今まさに地球を回りながら働いている人たちがいます。そう思うと、すーっと動くただの光が、ぐっと身近な存在に感じられますね。

スマホで写真に撮れますか?

動く点なので、ふつうに構えて撮るとうまく写らないことが多いです。スマホを三脚や手すりでしっかり固定し、シャッターを長く開ける「夜景モード」や長時間露光を使うと、ISSの通り道が一本の光の線になって写ることがあります。とはいえ設定に手間取っているうちに数分のパスが終わってしまうこともあるので、まずは肉眼でその動きを楽しんで、余裕があれば撮影に挑戦するくらいがちょうどよいですよ。

出典

本記事の内容は、以下の一次情報をもとに記載しています。

この記事を書いた人

コペミル編集部星空ソムリエ

YouTube・TikTokで月間1,000万回以上再生される星空動画メディア「宇宙のテルコ」。 星空ソムリエの資格をもつ星好きスタッフが、天文の一次情報にあたりながら、知るほど夜空が楽しくなる——そんな話を、やさしい言葉でお届けします。

公開日
更新日
事実確認日