夜空の方角と高度の読み方|こぶしで高度を測るコツ
星の案内によく出てくる「南の空・高度30度」。これは方角と高度を組み合わせて空の一点を指す言い方です。むずかしく感じるかもしれませんが、星を探す前にこの2つの読み方をおさえておけば大丈夫ですよ。

かんたんな答え
まず結論から
方角は東西南北、高度は地平線0度〜頭上90度。
方角は東西南北で向きを、高度は地平線を0度・頭の真上(天頂)を90度として空の高さを表します。北極星のある方向が「北」。高さは、腕をまっすぐ伸ばした握りこぶし1個分がおよそ10度です。これだけ覚えておけば、「南の空・高度30度」のような案内も、そのまま空で指せるようになりますよ。
方角と高度の早見表

星の位置は、方角と高度の2つで表します。まずはこの4つの言葉から、ゆっくりおさえていきましょう。
| 言葉 | 読み方 |
|---|---|
| 方角 | 東西南北。北極星のある方向が「北」、その反対が「南」です。北を向いて立つと、右手側が東、左手側が西になります。 |
| 高度 | 地平線が0度、頭の真上(天頂)が90度。空の高さを角度で表します。ちょうど中間の45度は、地平線と天頂の真ん中で、しっかり見上げるくらいの高さが目安です。 |
| こぶし | 腕をまっすぐ伸ばし、握りこぶし1個分の幅がおよそ高度10度にあたります。指を大きく開いた手のひら1つ分だと、およそ20度が目安です。 |
| 南中 | 天体が真南に来て、その日いちばん高くのぼった状態。高度が最大になり、その日でいちばん観察しやすいタイミングでもあります。 |
方角の基準となる北は、北極星の探し方で見つけられます。北さえ決まれば、東西南北はすべて定まりますよ。
「南の空・高度30度」を指す3ステップ
- 北極星で「北」を決め、東西南北を把握するまず北極星を見つけて、その方向を「北」としましょう。北を背にして立つと、正面が南になり、日の出の方向である東は左手側、西は右手側にきます。これで空全体に東西南北の向きが定まりますよ。方位磁針が指す北(磁北)とはわずかにずれますが、星を探す目安としては気にしなくて大丈夫です。
- 腕を伸ばし、こぶしを積んで高度を測る地平線から測りたい星に向かって、伸ばした腕の握りこぶしを下から積み上げてみましょう。こぶし1個でおよそ10度、3個積めば高度およそ30度の見当がつきます。手の大きさと腕の長さの比は人によらずほぼ一定なので、大人でも子どもでも同じように測れて安心です。ひじが曲がっていると数値が大きくずれてしまうので、腕はしっかりまっすぐ伸ばすのがコツですよ。
- 「南の空・高度30度」を実際に指してみる南(北の反対)を向き、地平線からこぶしを3個積み上げた高さが「南の空・高度30度」です。案内に出てくる方角と高度は、この2つを組み合わせて空の一点を指しています。最初はこぶしの数を「1つ、2つ、3つ」と声に出して数えると、測り忘れが減って確実ですよ。慣れてくると、文字を読むだけでもだいたいの見当がつくようになります。

よくある質問
高度とは何ですか?
高度は、その天体が地平線から何度の高さにあるかを表す角度です。地平線が0度、頭の真上(天頂)が90度。たとえば「高度30度」は、地平線と天頂のちょうど中間(45度)より少し低いあたりを指しますよ。数字が大きいほど空の高いところ、小さいほど地平線に近い、と覚えておくと迷いません。建物や山に隠れていないかを見当づける目安にもなります。
方角がわからないときはどうすればいいですか?
まず北極星を見つけて「北」を決めるのが基本です。北極星は北の空でほとんど動かないので、向きの基準にぴったりです。見つけ方は北極星の探し方の記事でくわしく紹介しているので、参考にしてみてください。スマートフォンの方位磁針アプリも補助に使えますよ。
こぶしで本当に高度が測れますか?
おおよその目安としては十分ですよ。腕の長さと手の大きさの比は人によってあまり変わらないため、腕をまっすぐ伸ばせば握りこぶし1個分がおよそ10度になります。厳密な観測値ではありませんが、「高度30度くらい」を空で探すにはとても便利な方法です。ひじを曲げると幅が大きく見えて数値がずれるので、腕は伸ばしきって測ってくださいね。
南中とは何ですか?
天体が真南の方向に来て、その日でいちばん高くのぼった状態を「南中」といいます。南中のときは高度が最大になり、地平線近くの空気のゆらぎの影響も比較的小さくなるため、観察しやすいタイミングですよ。星を探すときは、南中の少し前後の時間帯をねらうと見つけやすくなります。
こぶし以外に、指や手のひらでも高度を測れますか?
測れますよ。腕をまっすぐ伸ばした状態で、小指1本分がおよそ1度、指を3本そろえた幅がおよそ5度、握りこぶし1個分がおよそ10度、指を大きく開いた手のひら1つ分がおよそ20度が目安です。細かい高さは指で、大きな高さはこぶしや手のひらで、と使い分けると測りやすくなります。
低い空の星が見えにくいのはなぜですか?
地平線に近い低い空は、大気の層を通して斜めに見ることになるため、光がかすんだり、街あかりや山・建物にさえぎられたりしやすいからです。同じ星でも高度が高いほど見やすくなります。案内に「高度30度」などと書かれていたら、まわりに視界をさえぎるものがない場所を選ぶと、より見つけやすくなりますよ。
出典
本記事の内容は、以下の一次情報をもとにまとめています。
- 国立天文台|ほしぞら情報方角・高度(地平座標)で見る星空の基礎情報
- 国立天文台|暦計算室天体の方位・高度・南中など位置計算の基礎


