3/3【皆既月食】とは?
2026年の見え方や観測ポイントを
わかりやすく解説!

皆既月食は、満月がまるごと地球の影に入り、赤黒く染まって見える現象です。何時に外へ出ればいいのか、空のどこを見上げればいいのか、迷う方も多いのではないでしょうか。この記事では、月が赤くなるしくみから、当日の進み方と今回の見やすさ、見上げる方角、観察と撮影のコツまで解説します。
皆既月食とは?
皆既月食(かいきげっしょく)が起こるのは、「太陽 — 地球 — 月」がちょうどこの順に一直線にならんだときです。満月は地球の影に入ると端から少しずつ欠けていき、やがて全体が影に包まれて、赤銅色(せきどうしょく=赤黒い色)に染まります。
影に入った月が真っ暗にならず赤く見えるのは、地球の大気をかすめて曲がった光が、わずかに月を照らすためです。大気を通り抜けるあいだに青い光は散らばってしまい、赤い光だけが月に届きます。夕焼けが赤くなるのと同じしくみで、この赤い満月は「ブラッドムーン」とも呼ばれます。

皆既月食はいつ見られる?
3月3日(火)の夜、日本全国で見られます。月食は数時間かけてゆっくり進みますが、はじめから終わりまで見届ける必要はありません。月がまるごと赤くなる「皆既」は20:03〜21:03の約59分間で、ここがこの夜の中心です。
月食は、日食のように「見える地域・見えない地域」が分かれることはありません。月さえのぼっていれば、どこで見ても同じ時刻に同じように進みます。地域によってちがうのは、月の高さや方角、そして月がのぼる時刻です。当日の進み方は、記事の後半にある「当夜の流れ」にまとめています。
今回の皆既はどのくらいつづく?
今回の皆既は約59分間つづきます。皆既の長さが毎回ちがうのは、月が地球の影のどこを通るかで決まるからです。影のふちをかすめる回なら数分で終わり、中心に近いところを通る回は1時間を大きく超えます。
今回赤くなるのは、3月の満月です。英語圏では「ワームムーン」という呼び名がついています。皆既がおとずれるのは日付が変わるより前なので、夜ふかしをしなくても間に合います。当日の雲のようすは「今夜の星空」で地域を選んで確認できます。

空のどこを見ればいい?
月食がはじまるころ、満月はのぼって間もない東の低い空にあります。そこから南へまわりこみながら高くなり、皆既のころには、東京で東南東の空・高度およそ35度まで上がります。
高度35度は、腕をいっぱいに伸ばしたときのこぶし3〜4個分の高さです。皆既のころには空の高いところにのぼっているので、すぐ前に高い建物がなければ見つけられます。ただし欠けはじめから見届けたいなら、東から東南東にかけての低い空がひらけた場所を選んでください。
観察と撮影のポイント
月そのものが主役なので、暗い場所まで出かける必要はありません。自宅のベランダからでも、月さえ見えていれば同じように見えます。街明かりの影響もほとんど受けないのが、流星群との大きなちがいです。
双眼鏡があると、赤い月面の色ムラや、ふちのクレーターまで見えてきます。倍率は7〜10倍もあれば十分です。皆既の最中は月がぐっと暗くなるため、ふだんの満月の夜には見えない星が、月のまわりに現れることもあります。
写真に残すなら、三脚でしっかり固定します。真っ赤な皆既中の月は思いのほか暗いので、明るさ(露出)は上げめにします。逆に欠けていく途中は、残った白い部分がまぶしく白飛びしやすいので、露出は下げます。三脚がなければ、手すりなどに肘を固定するだけでもブレが減ります。数分おきに撮って並べると、変化がひと目で伝わる一枚になります。くわしい撮り方は「スマホでの星空撮影」ガイドで紹介しています。
当夜の流れ
17:44
半影食のはじまり
このころ月はまだ地平線の近くで、西の地域では月の出前のこともあります。左側がうっすら暗くなりますが、変化はごくわずかで、見ても気づかないことがほとんどです。
18:49
部分食のはじまり
月が左下から欠け始めます。地球の影に入っていくようすがはっきり分かるので、見はじめるならこのころからで十分です。
20:03
皆既食のはじまり
月全体が地球の影に入り、赤黒い色に変わります。ここからが見どころです。
20:33
食の最大
もっとも深く影に入り、赤みがいちばん濃くなります。
21:03
皆既食のおわり
月の左下から明るさが戻り始めます。赤い月を楽しめるのはここまでです。
22:17
部分食のおわり
欠けていた部分が満ち、もとの満月の形に戻ります。
23:23
半影食のおわり
ここまで見届ける必要はありません。半影食の終わりは、目で見てもほとんど分からないためです。
地域ごとの見え方
| 都市 | 見える時間 | おすすめ | 高度 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 20:03〜21:03が皆既 | 20:33ごろ食最大 | 約33° | 東南東の空 |
| 仙台 | 20:03〜21:03が皆既 | 20:33ごろ食最大 | 約35° | 東南東の空 |
| 東京 | 20:03〜21:03が皆既 | 20:33ごろ食最大 | 約35° | 東南東の空 |
| 名古屋 | 20:03〜21:03が皆既 | 20:33ごろ食最大 | 約33° | 東南東の空 |
| 大阪 | 20:03〜21:03が皆既 | 20:33ごろ食最大 | 約32° | 東南東の空 |
| 福岡 | 20:03〜21:03が皆既 | 20:33ごろ食最大 | 約28° | 東南東の空 |
| 那覇 | 20:03〜21:03が皆既 | 20:33ごろ食最大 | 約27° | 東の空 |
現在は主要都市のみ。順次、対応地域を増やしていきます。
今夜どう見える?
当日の雲量や月明かりは「今夜の星空」で、地域を選んで確認できます。曇りのときは、次に見やすい夜もご案内します。
よくある質問
- 毎月満月になるのに、なぜ毎月は月食が起きないのですか?
- 月の通り道が、地球が太陽をまわる面に対して約5度かたむいているためです。ほとんどの満月は地球の影の上か下をそれて通り過ぎ、影と重なる位置に満月が来たときだけ月食になります。
- ふだんの月の満ち欠けと、月食はどうちがうのですか?
- ふだんの満ち欠けは、太陽に照らされた月の面が、地球から見る角度によって毎日少しずつ変わっていくものです。月食はこれとはまったく別で、満月のときに地球の影が月に映り、光っていた満月が欠けて見えます。同じように月が欠けて見えても、満ち欠けは光の当たり方の変化、月食は地球の影によるものです。
- 日食のように特別な道具は必要ですか?
- 必要ありません。日食は太陽そのものを見るため専用の日食グラスが要りますが、月食で見ているのは月が反射した光なので、目を傷める心配はありません。