スターリンクが一列に見える理由|衛星トレインの正体

夜明け前や日没後の空を、光の点々が一列に並んでスーッと進んでいく――そんな光景を見たことはありませんか。UFOでも流れ星でもありません。その正体は、SpaceXが打ち上げる通信衛星「スターリンク」です。打ち上げ直後だけ見られる「衛星トレイン」について、やさしくご紹介します。

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薄明の空を、一列に連なって進むスターリンク衛星の光点

かんたんな答え

まず結論から

一列の光は、放出されたばかりのスターリンク衛星

一度のロケットで数十機を、ほぼ同じ軌道へまとめて放出するため、打ち上げ直後は数珠つなぎの一列に見えます。これが「衛星トレイン」です。衛星は自分で光らず、太陽の光を反射して見えています。時間が経つと各衛星が散らばり、やがて列ではなくなります。

もくじ
  1. いつ・どんな条件で見える?
  2. なぜ一列に見えるの?
  3. よくある誤解
  4. よくある質問

いつ・どんな条件で見える?

明るい机の上で、地平線のカード、低い位置のランプ、上空の衛星の粒の列を使い、日没後に光が当たる様子を示している。
スターリンクの衛星トレインが見える条件
時間帯日没後の夕方か、夜明け前の薄明(はくめい)の時間帯がねらい目です。
空の状態地上はすでに暗く、上空の衛星にはまだ太陽の光が当たっている――この条件がそろうと見えやすくなります。
時期打ち上げ直後ほど衛星が密に集まり、一列の「列」に見えます。日が経つほど散らばっていきますよ。
確認方法見えるタイミングは日時・場所で変わります。予報ツールで自分の空での通過時刻を確かめてみましょう。

見える条件はおおよその目安です。実際の通過時刻は日時・場所で変わるため、予報ツールで確認しておくと安心です。

放出直後は一列、時間が経つと散らばるスターリンク衛星の変化を示した図
図:放出直後は数珠つなぎ。日が経つにつれ各衛星が高度・位置を変え、列はほどけていく。

なぜ一列に見えるの?

  1. 一度に大量の衛星を放出するスターリンクは、たくさんの衛星で空をおおう「コンステレーション(衛星群)」です。一度のロケットで数十機を、ほぼ同じ軌道へまとめて放出します。だから打ち上げ直後は、衛星どうしが近くに並んだ状態になります。放出されたばかりの衛星はまだ本来より低い高度にいて、これから数週間かけて少しずつ軌道を上げていきます。低いところに密集して並んでいる打ち上げ直後こそ、地上から数珠つなぎの列として見つけやすい時期なんですよ。
  2. 太陽光を反射して光って見える衛星は自分で光っているわけではありません。月や惑星のように、太陽の光を反射して光って見えます。地上が暗く、上空の衛星にだけ陽が当たる薄明の時間帯に、その反射が点々と連なって見えるのです。飛行機のように赤や緑に点滅したりはせず、音もなく、白っぽい光がすーっと一定の速さで動いていくのが人工衛星の見え方です。逆に真夜中に近づくほど衛星も地球の影に入りやすくなり、光が当たらなくなって見えにくくなります。だから「一晩じゅういつでも見られる」わけではないんですね。
  3. 時間とともに散らばり列でなくなる時間が経つと、各衛星はそれぞれの高度・位置へ少しずつ移動していきます。一つひとつの衛星は秒速7〜8kmという猛スピードで動いていて、空を横切るのはほんの数分ほど。打ち上げから数日〜1、2週間ほどかけて衛星どうしの間隔が少しずつ広がっていき、やがて一列の「列」には見えなくなります。だから衛星トレインが見られるのは、打ち上げから間もない短い期間だけなんですよ。もし見逃しても、また次の打ち上げのあとにチャンスが巡ってきます。

よくある誤解

「いつ夜空を見上げても、あの一列が見られる」わけではない

衛星トレインが一列に見えるのは、打ち上げから間もないあいだだけです。時間が経つと各衛星は散らばり、列ではなくなります。「見えなかった」のは天気や時間帯だけの問題ではなく、そもそも見える条件がそろっていないこともあるので、あまり気にしすぎなくて大丈夫ですよ。

  • 一列に見えるのは打ち上げ直後だけ――やがて散らばってほどける。
  • 光るのは衛星自身ではなく、反射した太陽の光――薄明の時間帯が条件。
  • 見える時刻は場所と日時しだい――予報ツールで確認するのが確実。

よくある質問

夜空を一列に進む光の点々は何ですか?

SpaceXが打ち上げている通信衛星「スターリンク」の可能性があります。一度のロケットで数十機をほぼ同じ軌道へまとめて放出するため、打ち上げ直後は数珠つなぎの一列に並んで見えます。これを「衛星トレイン」と呼びます。

スターリンクはなぜ光って見えるのですか?

衛星が自分で光っているわけではありません。月や惑星と同じように、太陽の光を反射して光って見えます。地上はすでに暗く、上空の衛星にはまだ陽が当たっている――そんな条件のときに、反射した光が点々と見えるのです。

いつ見るとよく見えますか?

日没後の夕方や、夜明け前の薄明の時間帯がねらい目です。地上が暗く、上空の衛星にだけ太陽の光が当たる条件がそろうと見えやすくなります。打ち上げ直後ほど一列に密集して見えます。

いつ見えるか調べる方法はありますか?

見えるタイミングは日時や場所によって変わります。確実なのは予報ツールで、自分のいる場所の上空をいつ通過するかを事前に確かめることです。コペミルのスターリンクのページでも、見える日を調べられます。

飛行機や流れ星とはどう見分けますか?

見分けるポイントは「光り方」と「動き」です。飛行機は赤や緑の光がチカチカと点滅しますが、衛星は点滅せず、白っぽい光のままです。流れ星は一瞬でスッと消えますが、衛星は数分かけて一定の速さで空をゆっくり横切っていきます。音もしません。この「点滅しない・一定の速さ・数分」の3つがそろえば、人工衛星の可能性が高いですよ。

肉眼で見えますか?双眼鏡は必要ですか?

条件がそろえば肉眼でじゅうぶん見えます。むしろ双眼鏡は視野がせまくなり、動いていく列を追いかけにくいので、まずは肉眼で空全体を眺めるのがおすすめです。空が開けていて街灯の少ない、なるべく暗い場所を選ぶと見つけやすくなります。

出典

本記事の内容は、以下の一次情報をもとに記載しています。

この記事を書いた人

コペミル編集部星空ソムリエ

YouTube・TikTokで月間1,000万回以上再生される星空動画メディア「宇宙のテルコ」。 星空ソムリエの資格をもつ星好きスタッフが、天文の一次情報にあたりながら、知るほど夜空が楽しくなる——そんな話を、やさしい言葉でお届けします。

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