宇宙に音はあるの?真空で音が伝わらない理由

映画では、宇宙の爆発に大きな音がつきものです。でも本当の宇宙は、おどろくほど静かです。じつは音は空気のような物質の振動が伝わる現象で、その物質がほとんどない宇宙では、音は伝わりません。なぜ宇宙は無音なのか、いっしょに見ていきましょう。

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地球を背に宇宙空間を漂い、金色のバイザーに地球が映る白い宇宙服の宇宙飛行士

かんたんな答え

まず結論から

宇宙はほぼ真空なので、音は伝わりません

音は空気などの物質(媒質)の振動が伝わる現象です。宇宙空間はその物質がほとんどない真空に近い状態なので、音は基本的に伝わりません。だから宇宙は無音で、宇宙飛行士どうしは音の代わりに電波(無線)で会話しています。映画の爆発音は、迫力を出すための演出です。

もくじ
  1. どこで音は伝わる?
  2. なぜ宇宙は無音なの?
  3. よくある誤解
  4. よくある質問

どこで音は伝わる?

場所ごとの音の伝わり方
空気中伝わります。空気の粒が次々に振動を伝えるため、音の速さはおよそ秒速340m(約340m/s)です。
水中伝わります。水は空気より粒が密に詰まっているので、音は空気中よりもさらに速く伝わります。
宇宙のほぼ真空伝わりません。音を伝える物質(媒質)がほとんどないため、宇宙空間は基本的に無音です。
宇宙飛行士の会話音ではなく電波(無線)でやり取りしています。真空でも伝わる電波が、音の代わりに声を届けます。

音は「振動を伝える物質」があってはじめて伝わります。物質が密なほど速く、なければ伝わりません。

空気中では音波が伝わり、真空では音波が伝わらないことを対比した図
図:左=空気の粒が次々ぶつかって音が伝わる。右=真空では伝える粒がなく、音は届かない。

なぜ宇宙は無音なの?

  1. 音とは「媒質の振動」が伝わること音は、空気や水のような物質(これを媒質と呼びます)の粒が次々に振動を受けわたしていく現象です。たとえば太鼓をたたくと、皮のふるえがまわりの空気を押し、その空気の粒が次々にお隣を押していくことで、音として耳まで届きます。声も楽器の音も、同じしくみです。つまり、振動を伝える物質がそこになければ、音は生まれても届いていくことができないのです。
  2. 宇宙はほぼ真空で、媒質がない宇宙空間はほとんど何もない「真空」に近い状態で、音を伝える物質がほぼありません。とくに深い宇宙空間は、ふだん私たちが目にするどんな空気よりもはるかにまばらな世界です。空気中なら約340m/sで伝わる音も、真空では速さ以前に、そもそも伝わるための粒がないのです。だから宇宙は基本的に無音なんですね。
  3. だから無音、会話は電波でおこなう音が伝わらない宇宙でも、宇宙飛行士どうしはちゃんと会話ができます。真空でも進める電波(無線)を使って声をやり取りしているからです。国際宇宙ステーションと地上の管制官も、この電波でつねに連絡を取り合っています。音ではなく電波が、声を運ぶ役目をしてくれているんですね。

よくある誤解

明るい机の上で、小さな真空容器、ベル、スピーカー、途中で止まる波形の紙を使って、音の伝わり方を示している。
「宇宙でも、大きな爆発なら音が聞こえる」わけではない

どんなに大きな出来事でも、音を伝える物質がなければ音は届きません。宇宙はほぼ真空なので、爆発が起きても、その音が外の空間を伝わってくることはありません。映画やアニメで聞こえる音は、状況をわかりやすく伝えるための演出だと考えると、現実とのちがいに戸惑わずにすみますよ。

  • 音は「大きさ」ではなく「媒質があるか」で伝わるかが決まる。
  • 宇宙飛行士の会話は音ではなく電波——真空でも電波は伝わる。
  • よく聞く「宇宙の音」はデータを音に変えた可聴化で、本物の音ではない。

よくある質問

なぜ真空では音が伝わらないのですか?

音は、空気や水のような物質(媒質)の振動が次々に伝わっていく現象だからです。宇宙空間はほぼ真空で、振動を受けわたす物質がほとんどありません。そのため、音が伝わるための「橋渡し役」がなく、宇宙は基本的に無音になります。空気中では音はおよそ340m/sで伝わりますが、真空ではその速さ以前に伝わること自体ができません。

映画の宇宙シーンで聞こえる爆発音は本物ですか?

現実の音ではなく、迫力を出すための演出です。実際の宇宙はほぼ真空で音が伝わらないため、爆発が起きても外には音が届きません。映画やアニメの爆発音や効果音は、観客に状況を伝えるために加えられた表現だと考えてください。

宇宙飛行士はどうやって会話しているのですか?

声そのものを空気で飛ばしているのではなく、真空でも伝わる電波(無線)を使って会話しています。宇宙服のヘルメットの中には空気があるので自分の声は自分に聞こえますが、外の真空には音が伝わりません。そこで、声を電波に変えてやり取りしています。

ときどき聞く「宇宙の音」は本物の音ですか?

厳密には、そのまま耳に届いた音ではありません。探査機などがとらえた電磁波のデータを、人が聞ける音に変換した「ソニフィケーション(可聴化)」と呼ばれる表現です。データを音に置きかえているので、本物の音そのものではなく、目に見えないデータを耳で感じられるようにした工夫だと考えてみてくださいね。なお、銀河団の希薄なガスの中では超低周波の圧力波が伝わる例もありますが、これも人の耳には聞こえません。

月面では音は聞こえますか?

月には音を伝えるほどの空気がほとんどないため、地上のようには音が聞こえません。月の表面は、ごくわずかな気体しかない真空に近い環境です。実際、月面を歩いた宇宙飛行士どうしも、声を空気で飛ばすのではなく電波(無線)で会話していました。空気のある地球だからこそ、私たちはあたりまえのように音を聞けているんですね。

地球の音は宇宙まで届きますか?

届きません。音は空気の振動として伝わりますが、空の高いところへ行くほど空気はうすくなり、宇宙との境目あたりでは音を伝えるための粒がほとんどなくなります。そのため、地上でどんなに大きな音が鳴っても、その音がそのまま宇宙空間まで伝わっていくことはありません。音が届く範囲は、あくまで空気のある場所までなんですね。

出典

本記事の内容は、以下の一次情報をもとに記載しています。

この記事を書いた人

コペミル編集部星空ソムリエ

YouTube・TikTokで月間1,000万回以上再生される星空動画メディア「宇宙のテルコ」。 星空ソムリエの資格をもつ星好きスタッフが、天文の一次情報にあたりながら、知るほど夜空が楽しくなる——そんな話を、やさしい言葉でお届けします。

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