5月の天体ガイド

2026年5月の星空

2026年5月の星空。冷えすぎず、蚊もまだ少なく、装備がほとんど要らない月です。春の大曲線でアークトゥルスとスピカをたどり、5月2日(土)の満月「フラワームーン」には双眼鏡で月のクレーターをのぞいてみてください。観察を始めるなら、一年でもっとも敷居の低い季節です。

5月は、一年でいちばん外に立っていられる

5月の夜は冷えすぎず、蚊もまだ少なく、装備がほとんど要りません。上着を一枚持って出るだけで、1時間でも空を見ていられます。観察を始める月として、これ以上ない条件がそろっています。

日の入りは18時半を過ぎ、星が見えはじめるのは19時半ごろ。始まりは少し遅くなりますが、そのぶん外の空気が心地よく、暗くなるのを待つ時間そのものが苦になりません。

5月の天体ショー

  1. 5月2日(土)

    終了

    フラワームーン

    5月2日(土)の夜が見頃

  2. 5月6日(水)

    終了

    みずがめ座η流星群

    5月6日 夜半すぎ〜明け方が見頃

  3. 5月31日(日)

    終了

    ブルームーン

    5月31日(日)の夜が見頃

5月の惑星

  • 金星夕方や明け方にひときわ明るく輝く星。西北西の空・高度28度・18:39ごろ
  • 木星白く明るい、太陽系で最大の惑星。西の空・高度49度・18:39ごろ

※ 東京・5月15日の宵〜夜半の空を基準にした目安です。日付や時間で位置は変わり、明け方に見える惑星もあります。今夜の正確な位置を見る

5月の満月・新月

毎日の月の満ち欠けを見る

5月の星座・天の川

北斗七星の柄のカーブを伸ばす「春の大曲線」で、うしかい座アークトゥルス、おとめ座スピカへとたどれます。

アークトゥルスとスピカ、色の違う2つの1等星

春の空をしめる2つの1等星は、色がはっきり違います。アークトゥルスはオレンジがかった橙色、スピカは青みを帯びた白。少し離れた位置に並んでいるので、見比べれば差は肉眼でも分かります。

色の違いは、星の一生の段階の違いでもあります。アークトゥルスは膨らんで赤くなった年老いた星、スピカは若く高温の星。同じ「明るい点」に見えても、たどってきた道のりはまるで違います。

日本ではアークトゥルスを「麦星」、スピカを「真珠星」と呼びました。麦の色づく季節に高くのぼることが由来で、季節と星を結ぶ呼び名が各地に残っています。星の名前は、暮らしの暦でもありました。

この2つが見つかれば、春の空の骨格はつかめます。あとは間を埋めるだけ——うしかい座やおとめ座の形は、明るい星を先に押さえてから追うほうが、ずっと楽にたどれます。

双眼鏡を持ち出すなら、5月

気候がよく、暗くなる時間も遅すぎない5月は、双眼鏡の入門に向いた月です。倍率は7〜10倍、口径は40〜50mmのものが扱いやすく、手持ちでも像が落ち着きます。

最初に向けるなら月です。欠け際のクレーターが立体的に浮かび、満月より半月のほうが影が出て見ごたえがあります。凹凸が影で分かるのは、光が斜めから当たっているからです。

次に狙うなら、星の集まりです。暗い銀河は後回しにして、明るい星団から始めるのが挫折しないコツ。春は銀河の季節ですが、双眼鏡で分かるほど明るい銀河はそう多くありません。

手ブレが気になったら、ひじを固定してください。柵や車の屋根に腕を置くだけで像が止まります。三脚がなくても、体の使い方だけでかなり改善します。座って、ひざに肘を乗せる姿勢もよく効きます。

よくある質問

双眼鏡は何倍を選べばいい?
7〜10倍が扱いやすい範囲です。それ以上は手ブレが目立ち、三脚が必要になります。星を見るなら口径40〜50mmのものが明るく、暗い天体まで見えます。
アークトゥルスとスピカ、どちらが明るい?
アークトゥルスです。全天で4番目に明るい恒星で、春の宵ではいちばん目立ちます。スピカは1等星のなかでは控えめですが、青白い色で見分けられます。
みずがめ座η流星群を見るコツは?
放射点の方角を気にしすぎず、できるだけ空全体を広く見渡すのがコツです。レジャーシートに寝転んで、目が暗さに慣れる15〜20分を待つと、暗い流れ星まで見えてきます。
月明かりがあると流星群は見えにくい?
はい。満月の前後は空が明るく、明るい流星しか見えません。月明かりの少ない新月(5月17日(日)ごろ)に近いほど好条件です。
天体ショーは何時ごろに見るのがいい?
空が暗くなる日没後1〜2時間からがおすすめです。ただし流星群は放射点が高くなる深夜〜明け方、惑星はそれぞれ見頃の時間が違うので、各カードの時間を目安にしてください。
双眼鏡や望遠鏡は必要?
流星群や明るい惑星は肉眼で楽しめます。双眼鏡があれば、月のクレーターや木星のガリレオ衛星まで見えて、もう一歩踏み込んで楽しめます。
星をきれいに見られる場所は?
街灯や建物の少ない、空が広く開けた場所がおすすめです。スマホの明るい画面を見ると目の暗さへの慣れ(暗順応)が戻ってしまうので、明るさは控えめに。