
低い空 — のぼりはじめ・沈むころ
オレンジ色に見える
地平線近くの月は、空気の層を長く通り抜けます。青い光が散らされて赤〜橙の光が残るため、夕焼けと同じしくみで暖かい色に見えます。

「ストロベリームーン」は、6月の満月につけられた呼び名です。なぜイチゴの名前がついたのか、気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、名前の由来と意味、2026年の見ごろの日付と時刻、月が低い6月ならではの空の高さ、観察のポイントを解説します。2026年のほかの満月の日付もあわせて確認できます。
ストロベリームーン(Strawberry Moon)は、6月の満月を指す呼び名です。北アメリカでは6月がイチゴの収穫期にあたり、その季節の実りにちなんでこの名前がつけられました。実るのは野生のイチゴで、摘み取れる期間が短かったため、その時期を知らせる目印として使われてきました。
日本では、6月の満月が梅雨の時期と重なります。曇りや雨の日が続くため、観察できる夜は限られます。ねらい目は、雨が上がった直後の晴れ間です。降った雨が大気中のちりを洗い流すので、雨上がりの夜は空の透明度が高くなります。

2026年のストロベリームーンが見ごろをむかえるのは、6月30日(火)の夜です。満月になる瞬間は同じ日の朝9時ごろで、そのとき月は地平線の下にいます。実際に見上げられるのは日が暮れてからで、欠けはほとんど分かりません。
東京での月の出は19:32ごろです。一年で日の入りがいちばん遅い時期にあたるため、月がのぼるのも夜に入ってからになります。西の地域ほどさらに遅くなります。当日の天気は「今夜の星空」で地域を選んで確認できます。
梅雨どきに当日をねらうのは難しいのですが、前後2〜3日はほぼ満月のままです。この時期の月の出は1日40分ほどずつしか遅くならないので、翌日以降にずらしても宵のうちに見られます。
6月の満月は、真東からやや南寄りの位置にのぼります。満月は太陽と正反対の方向にあるため、太陽が一年でいちばん高くのぼる夏至のころは、月が反対に最も低い空を通ります。
東京では、真夜中に南の空へ来たときでも地平線から約27度にとどまります。夏至の前後は夜そのものも短いため、月が空にいる時間も一年で最も短くなります。
低い月の光は、厚い大気を斜めに通って届きます。その途中で青い光が散らされるため、のぼりはじめと沈むころの月は黄色みやオレンジを帯びて見えます。色づいて見えるのは地平線から十数度までのあいだで、時間にすると1時間ほどです。

6月の場所選びを左右するのは、暗さよりも低い空が見通せるかです。一年でいちばん低いところを通る満月なので、ベランダからでは屋根や向かいの建物にさえぎられることがあります。
低い月は大気のゆらぎを最も受けます。輪郭がにじんで揺れるのはこの月の宿命のようなもので、双眼鏡でのぞくと像が水面のように動くのが分かります。時間をおいて何度かのぞけば、ふと止まる瞬間があります。
ゆらぎは損なことばかりではありません。低い月は赤みを帯びやすく、ストロベリーの名にふさわしい色になることがあります。建物や木立と同じ画面に収めやすい高さでもあります。撮影の段取りは「月の撮り方」ガイドで扱っています。


低い空 — のぼりはじめ・沈むころ
地平線近くの月は、空気の層を長く通り抜けます。青い光が散らされて赤〜橙の光が残るため、夕焼けと同じしくみで暖かい色に見えます。

高い空 — 真夜中ごろ
頭の真上に近いほど、光が通り抜ける空気は少なくなります。本来の白い光がそのまま届くので、青白く明るく輝きます。
ヒント:「赤い満月」は特別な現象ではなく、低い空の月が暖色に見えるだけです。時間をおいて高くのぼった月と見比べると、違いがよく分かります。
今夜どう見える?
当日の雲量や月明かりは「今夜の星空」で、地域を選んで確認できます。曇りのときは、次に見やすい夜もご案内します。
毎月の満月には、季節にちなんだ名前があります。気になる月をのぞいてみてください。
満月カレンダーで一覧を見る